映像をつくる楽しみ②

映像をつくる楽しみ②

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。



今回、考えてみたシナリオはこちらです。
(前回アップした内容の続きをイメージしました)


2 商店街

 人通りはまばら。

 通りにあるいくつかの飲食店は開店している

 足音をたてながらサンダルで歩く男は一軒のお店の前で立ち止まり

 営業中の札を確認して、扉を開け中に入る。

女将さん「いらっしゃい」

 お客のいない店内は、コの字のカウンターテーブルのみでイスは七脚あり、

 そのうちの一つだけポツンと隅に置かれている。

 男性が隅に置かれたイスに座ると、女将さんはおしぼりとお通しを準備し

 男性の前に置きながら

女将さん「飲み物どうします?」

 男性はあたりを見回し色の褪せた紙に書かれたメニュー表を見ながら

男性「レモンサワー」

 女将さんは返事をすることなく、準備を始める。




今回も最初から映像を考えていきたいと思います。


最初の二行は
商店街の長さや店舗数など全体を見せたいと思います。
カメラ位置としては建物の三階の高さから撮影するイメージです。


三行目にある
足音をたてながらサンダルで歩く男は一軒のお店の前で立ち止まり
の映像はサンダルの足元とカメラが平行になるように
低い位置にカメラを準備して、歩く足元と並行を保ちながら撮影します。
この時、一軒のお店の前で立ち止まりまでワンカットで表現します。


四行目
「営業中の札を確認して、扉を開け中に入る」で営業中の札を見せる前に
どんな外観のお店なのかを見ている人に伝える為、
立ち止まった男性とお店の外観が映るカットを一つ入れて、
「営業中」の札越しに扉を開ける手が映る映像にします。

「扉を開け中に入る」というカットですが
次は女将さんのセリフ「いらっしゃい」なので、
女将さん目線で店内に入ってくる男性のカットにして、
このカットに女将さんのセリフも入れたいと思います。


六行目七行目
「店内はコの字のカウンターテーブルのみでイスは七脚あり、
そのうちの一つだけポツンと隅に置かれている
ここはお店に入ってきた男性の目線にして、
店内のレイアウトと、どんな女将さんなのかが
分かる映像にします。


八行目
男性が隅に置かれたイスに座ると
女将さんはおしぼりとお通しを準備し男性の前に置きながら」
この映像は女将さん越しに男性が画面に入って来て
イスに座る、女将さんがおしぼりとお通しを準備する、
までを1カットとして、

次の「男性の前に置きながら」から
「男性はあたりを見回し色の褪せた紙に書かれたメニュー表を見ながら
と書かれた
ト書き(とがき)までを1カットでいきたいと思います。


男性目線で
お通し(料理)が出てきます。(ここではお通しだけ映るようにします)
次は女将さんのセリフなので
お通しから女将さんへ目線が移ったところで、
セリフ「飲み物どうします?」を入れます。
そのまま、まわりを見回してメニュー表を見つけるまでを
男性目線の映像のままいきたいと思います。


メニューがある場所が分かったらカットを変えて
メニュー表をアップ。
男性のセリフ「レモンサワー」を入れます。


最後のト書き「女将さんは返事をすることなく、準備を始める」
はメニュー表のアップのまま、音だけで表現したいと思います。


いかがでしょうか。

今回は登場人物の目線が多い映像になりました。
文字だけでは伝わりにくいと思いますが、
自分が男性・お女将さんになった目線で
映像をイメージしてみてください。


特の最後のト書きを音だけで表現しようとした場合、
「返事をすることなく」ってことはもしかしたら
お女将さんは今日、嫌な事や落ち込んだことがあったかもしれません。


その場合、「準備を始める」
音で表現しようとしたらどんな音になりますか?


物を雑に扱う音だったり、わざと物音を立てる…など


「音」は映像を構成する時にとても重要です。
ラジオドラマは「音」を勉強する時にとても役に立つので
お時間のある方はぜひ聞いてみてください。



ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
また明日お会いしましょう。