映像をつくる楽しみ

映像をつくる楽しみ

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。


早速ですが、
例えばこのようなシーンがあった場合、どのような映像をイメージしますか?



1 自宅
 強い日差しが入り込んでいるワンルーム。
 カーテンはなく窓は開いている。
 外からはセミの鳴き声や電車の通過音、学生の声。 
 男が一人寝転んでいる。

男「あっつぃ・・・」

 男は立ち上がり部屋を出ていった。



このようなシナリオがあった場合、
セリフ「あっつぃ・・・」以外の文章は
「ト書き」と呼ばれ、場面の状況や時間、人物の動作などを表します。


このシナリオを映像化するとき次のようなカットにしてみます。


最初三行のト書き部分は男性目線にします。
【天井が見えていてカメラが動くとカーテンのない強い日差しが入る窓が見えてくる】
これを一連(ワンカット)で撮ります。

日差しが入る窓が見え始めたら
セミ、電車、学生の「音」が入ってくる(聞こえてくる)のを
イメージしたので、
天井が映っている時には聞かせず、
窓が見えてくるにつれて
徐々に音も聞こえてくる映像にします。


次は「男が一人寝転んでいる」というト書きで
【寝ている男性とワンルーム全体】が
画面に入るように撮ります。
ここで初めて男性が
どんな服装や髪型、年齢、容姿など
見ている人に情報を届けて
どんな人物なのか興味を持ってもらいたいと思いました。



次のセリフがあるカットですが
【男性の顔を真上(俯瞰で)から男性の顔をアップ】で撮ります。
セミの鳴き声窓が開いていることから夏の冷却設備のないワンルームで
汗をかいている顔をイメージしました。
なので画面いっぱい(アップ)に映しだすことにより
圧迫感や暑苦しさを感じてほしいと思いました。



最後の「男は立ち上がり部屋を出ていった。」というト書き部分は
【部屋の外(玄関のドア前)】から撮ってみようと思いました。

流れとしては
ドアが開く→男性が出ていく→扉が自然に閉まる→閉まる音で次のシーンへ。
という感じの映像をイメージしました。



いかがでしょうか?


人によってはト書きの
「外からはセミの鳴き声や電車の通過音、学生の声
の部分で窓から見える景色を入れたい、


男は立ち上がり部屋を出ていった
は部屋の中から撮る方が暑苦しい部屋からの解放感を感じる



といった考え方もあり、
監督の演出意図によるカメラアングルの変化も
映像をつくる楽しみの一つだと思っています。
今回は文章(シナリオ)から映像をイメージしてみました。


最後までご覧いただき、ありがとうございました。
それではまた明日お会いしましょう。